老松の夏柑糖〜夏みかんと寒天のお話し〜

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京都の老舗菓匠「老松」さんの「夏柑糖」を取り寄せしました。

萩の夏みかんの中身を取り出し、搾った果汁と寒天を合わせ、くりぬいた夏みかんに流し入れた、手の掛かったお菓子。

 

現在出回っている甘夏ではなく、昔からの酸味の多い夏みかんを使って作られているので、さっぱりとした後味で、ゼリーとは違う寒天の食感が上品な、涼やかさを誘うお菓子です。

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夏みかんは、本来ナツダイダイと呼ばれるもので、江戸時代中期に山口県仙崎町大日比の海岸で、村の娘お蝶が、流れ着いた珍しい果実を拾って、その種を撒き付けたのが、起源とされているそうです。(以上斜体部分、老松さんより添付の栞より抜粋)

寒天は、江戸時代初期に、京都府伏見の旅館の主人、美濃屋太郎左衛門が、冬にところてんを作り、薩摩藩主島津候に供し、残ったところてんを戸外に置いておいたところ、冬の寒さで凍り、数日後には自然乾燥の状態で乾物になっており、それでところてんを作ってみた所、以前よりも美味しく海藻臭さがないものが出来、これを見つけた太郎左衛門が、寒天の製法を編み出したという事で、名前の由来は寒い天(そら)の下で作られる事から「寒天」と呼ばれるそう。

夏みかんも寒天も江戸時代に作られたものなのでしょうが、夏柑糖の様な形のお菓子が出来たのは、もっとずっと後の時代の事なのでしょうね。