「團菊祭五月大歌舞伎」


本日まで公演中の「團菊祭五月大歌舞伎」。
千穐楽前日の昨日の昼の部へ行って参りました。

幕開きは「曽我もの」の人気作『寿曽我対面』。
お祝い気分に溢れる江戸歌舞伎の様式美が堪能出来る一幕。

気品高い右近さんの曽我十郎祐成がとても良かったです。

幕間のお弁当は地下の「やぐら」で求めた好物の「志乃多寿司」のばらちらし寿司。

お席で広げるお弁当の、すっかり元通りの光景がうれしい。


二幕目の『若き日の信長』。

大佛次郎が十一世市川團十郎のために書きおろした、成田屋さんゆかりの新作歌舞伎。

当代團十郎さんの海老蔵さん時代に観たことがあり、その時もいいな、はまり役だなと思った若き日の信長役。

今回更に良くなった、信長が吐露する悔しさと淋しさの台詞が胸に沁みました。

そして三幕目は本日のお目当て!!

初代尾上眞秀さんが初舞台を踏む『音菊眞秀若武者』。
豪傑・岩見重太郎の、狒々や大蛇を退治した諸国巡りの伝説をもとにした作品。

音羽屋さんらしく、前半では可愛らしい女童姿で舞を、後半には凛々しい少年剣士姿で立派な立廻りを披露してくれました!!

圧倒的な存在感のお爺さま・菊五郎さんの弓矢八幡に、時蔵さんの局高岡、松緑さんの長坂趙範、叔父さま・菊之助さんの藤波御前、團十郎さんの重臣大伴家持など、豪華な顔ぶれの初舞台に、歌舞伎の爽快さとたのしさを再認識させて貰え、大満足な一日に。

今回の眞秀さん初舞台の祝幕。
目を惹きつけられる、洒落た円のオーガンザのデザインは、シャネルのサポートによるものだそう。
眞秀さんのこれからの、日本だけでなくフランスや世界への歌舞伎の魅力の発信にも、期待が高まります。

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