江戸時代には五節句のひとつとされた七夕。
織姫と彦星が、七月七日の夜の年に一度だけ、鵲(かささぎ)の橋渡しで天の川を渡って、再開出来る、という星伝説は、いまも良く知られた七夕のお話し。
その織姫の星、織女星(しょくじょせい)にお供え物をして祀り、裁縫の上達などを祈る、中国に古くから伝わる行事と、日本古来の、神様に衣を捧げるために機を織る、棚機つ女(たなばたつめ)への信仰が習合して生まれたのが、日本の七夕と言われています。
そんなことから、江戸時代の女の子たちは、裁縫や機織りの上達を短冊に書いて願ったのだそう。
裁縫と言えば、特に得意とも好きとも言えない私。
着付けをする度に、つい、しなければ「ならない」と、面倒に思ってしまう半衿付け。
不得手なことにこそ、やる気を出したり、技術のなさを補うための道具は大事!!との思いで、お針道具は良いもの、かわいいものを揃えて来ました。
九谷焼のお猪口に二越ちりめんで作られたお針山は、かわいさでやる気を誘ってくれます。
肝心の針は、京都三條本家のみすや針。
きぬ糸用ともめん糸用。
布通りと弾力の良さが素晴らしく、それまで使っていた針とは全く違う使い心地に、はじめはびっくりしたほど。
まち針も縫い針同様の布通りと弾力で使いやすく、4色のガラス玉がかわいらしいです。
菊一文字の握りばさみは、元刀匠の技術が基の、鋭い切れ味がさすがで、一生ものとして大切に使い続けていきたい品。
やっぱり不得手なことにこそ道具が大事!!と、優秀なお針道具に助けてもらい乍ら、今夜は織姫さまに、お裁縫の上達を願ってみましょうか。