「吉例顔見世大歌舞伎」

IMG_3552

歌舞伎座で上演中の「吉例顔見世大歌舞伎」昼の部へ行ってきました。

一幕目の「お江戸みやげ」。

時蔵さんが初役で演じられるお辻、とっても良かったです。

同じく初役という又五郎さんのおゆうもとてもいい味わいで、対照的な性格の二人の軽快なやりとりが愉しく、最後には人のいい二人の後家の哀歓に、胸がじんとなるすてきな人情劇。

時蔵さんのこんなお役、また観てみたいです。

IMG_3551

そして今月のお目当てはもちろん「十六夜清心」。

菊五郎さんの清心。

黙阿弥の七五調の名台詞も心地よく、終盤に突然、悪の道に入って生きていこうと、心変わりし、決意する様がなんとも言えず、ぞくっとすてきにかっこいい!!

そして今回の清元は、浄瑠璃方の名跡を襲名した右近さんが、清元栄寿太夫として初お目見えし、清元宗家家元の父・清元延寿太夫さんと共演。

栄寿太夫さんの語り、とても通るいい声で、清心の心情が熱く伝わってくるすばらしい語りでした。

一幕目の「お江戸みやげ」では、俳優・右近さんとして娘役のお紺を演じられ、大活躍の今月の右近さん。

清元栄寿太夫の右近さんも、また聞いてみたい、すばらしい浄瑠璃語りでした。

吉右衛門さんの俳諧師白蓮実は大寺正兵衛も渋く、一幕目とはガラッと変わった時蔵さんの十六夜と又五郎さんの船頭、そして菊五郎さんの清心がからむ幕切れの世話だんまりと、見どころ聞きどころ盛り沢山の「十六夜清心」を堪能しました。