「河鍋曉斎~その手に描けぬものなし」展

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サントリー美術館で始まった「河鍋曉斎~その手に描けぬものなし」展へ行って来ました。

曉斎の作品をこの規模でまとめて見るのは初めて。

多才で知られる河鍋曉斎。

仏画の「日課観音図」、動物画の「鶴図屏風」「枇杷猿、瀧白猿」、美人画の「閻魔と地獄太夫」と、それぞれの分野に、いいなと惹かれる作品が。

中でもやはり、戯画・風刺画には、惹かれる作品が多く、「蛙の学校」「蛙の人力車と郵便夫」と、「蛙の蛇退治」の風刺にはじっくり魅入ってしまいます。

他にも「曉斎手控帖」の亀の写生と中国絵画の模写の手控帖の秀逸な画力には、目を惹かれました。

そして、最後に展示されていた曉斎の娘、曉翠の2点の作品。
美人画の「寛永時代美人図」と能・狂言画の「百猩々」に惹きつけられました。

特に、謡曲を習い、能狂言に親しんだという曉翠の描いた「百猩々」。
能装束を身につけた百匹もの伝説上の動物、猩々。
琴碁書画に高じたり、大盃を傾ける百匹百様の姿の猩々が、一幅にまとめられ、画面全体に広がった、赤頭の猩々緋色と質感に、温度が感じられる様な色合いが、なんとも美しい作品。

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曉斎と、その娘・曉翠の、多様な分野の作品を堪能した後は、サントリー美術館を訪れた際のおたのしみ、併設の加賀麩の不室屋さんのカフェでお茶を。

今回の展覧会限定メニューの栗麩のこしあん善哉と加賀棒茶を戴きました。

栗のお麩は初めて戴きましたが、栗の風味が豊かで、つるんとした口当たりのお麩に、とろんと熱々のこしあんがおいしい!!

箸休めに付いていたお麩の佃煮は、今回初めて戴いたのですが、生姜の風味が効いていて、お麩の食感も面白く、とってもおいしい!!
さすが、老舗のお麩屋さんです。

曉斎の多才さを満喫し、娘・曉翠の画風に惹かれた今回の展覧会。
次は、曉翠の作品をまとめて見られる機会があるとうれしいです。