「五十五世梅若六郎 三十七回忌追善能」

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梅若能楽学院会館での「五十五世梅若六郎 三十七回忌追善能」へ行って来ました。

所要があって一番目に間に合わず、松山隆雄さんの「鸚鵡小町」から鑑賞。
小野小町をシテとする曲を見るのは初めて。小町の老残のお話しです。

こちらの能舞台は自然光の入る舞台と聞いていましたが、今年の4月に「梅若会定式能」で初めて訪れた時には、生憎の曇り空で、舞台に自然光がさすのを見ることは出来なかったのですが、今回の曲の中のちょうど効果的な場面で、斜め上から、舞台上のシテ方の老女に、すうーっと一筋の光がさし、神秘的な自然演出の奇跡に、心を洗われる様な感動の瞬間を味わう事が出来ました。

梅若玄祥さんの「実盛」の美しく凛々しい仕舞にため息。

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その後は、本日のお目当ての川口晃平さんによる「葵上」。
この有名な曲も、能鑑賞初心者の私は、今回が初めての鑑賞。
梓之出という特殊演出での上演です。

嫉妬に狂い、生霊となって葵上に取り憑く六条御息所。
恐ろしいはずの御息所ですが、般若になってしまった自分の浅ましさに傷つき恥じ入る哀しさが伝わって来る、美しく哀しい「葵上」でした。