夏の終わりに〜線香花火のお話し〜

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急に涼しくなって、ふと気付けば8月もあと3日。
夏も終わりかな?と思っていたら、夏の初めに気になって買っていた線香花火の事を思い出しました。

 

桐箱入りのものが、奈良の花火屋さんで江戸時代と変わらない技法で手作りされたものに、白檀の香りを移したというもの。
もうひとつは、大正3年創業という東京蔵前の花火問屋さんが、8年の歳月をかけて復活させたという、純国産にしか見る事の出来ない「牡丹・松葉・散り菊」という繊細な火花を散らせるという線香花火。

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能書き通りに、本当に繊細で花の様にきれいな散り方で、白檀の香りも仄かに香り、過ぎ行く夏を感じながらしみじみとたのしみました。

 

線香花火という名前は、細い葦や藁の先に火薬を付けた花火を香炉や火鉢に立てて遊んだその形が、線香に似ているところから付いたそうです。

その葦や藁を使って上に向けて遊ぶ線香花火は、関西では馴染みが深かったそうですが、江戸では、細い葦や藁の入手が容易でなかった為か、代わりにいまの様に和紙を使い、そこに火薬を付けて縒ったもので、下に垂らして燃やす種類が浸透し、人気を集めて行ったそう。

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夏が大好きだった子供の頃には、派手目な手持ちや打ち上げ花火セットの残り物の中に、いつも入っていた線香花火。

 

夏休みの最後の最後に燃やすと、夏休みも終わりだな、とさみしい気持ちになりました。
暑さが身に堪え、涼しい秋が待ち遠しいはずの大人になったいまでも、線香花火を燃やしてみると、やっぱり少しさびしい様な気持ちになります。